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【現地調査報告】2026年熊本地震:宇城市・氷川町を歩いて感じた、プロとしての危機感と希望

2026/08/13

こんにちは!house plus+光栄建設 田中崇浩です。

読者の皆様、そして今回の地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

私はこれまで、耐震診断・劣化調査の専門家として約500棟以上の建物を調査してきました。
プロとして、建物の構造や弱点を知り尽くしているつもりでしたが、
先日、2026年熊本地震の被害を受けた宇城市と氷川町へ現地調査に入り、
改めて自然の猛威と私たちの使命の重さを痛感させられました。

今回は、現地で私がこの目で見て、肌で感じたリアルな状況をお伝えしたいと思います。

伝統的な家屋を襲った容赦ない揺れ(氷川町の状況)

特に被害の爪痕が深く残っていたのが、氷川町でした。
現場を歩いてまず目に飛び込んできたのは、多数の家屋の倒壊現場です。
その多くが、築50年を超える昔ながらの土壁で、立派な入母屋造り(いりもやづくり)のお宅でした。

重厚な瓦屋根を支えるには、長年の劣化が進んだ構造では限界がありました。
日本の美しい伝統的な家屋の弱点が、容赦ない揺れによって突かれてしまった形です。
こうした建物の耐震補強の難しさと重要性を改めて突きつけられた思いでした。

「倒壊していない=安全」ではない(宇城市の状況)

一方、宇城市では少し様相が異なりました。
築30年程度の、一見するとまだまだ新しく頑丈そうな建物であっても、
外壁に痛々しいひび割れが走り、建物自体が傾いてしまっているケースが散見されました。

倒壊こそ免れているものの、
「このままでは到底住み続けることはできない」という危険な状態のお宅が多数ありました。
外見だけでは分からないダメージが構造全体に及んでおり、
新耐震基準の世代であっても、劣化状況や地盤によっては甚大な被害を受けるという現実を目の当たりにしました。

住民の方々の悲痛な声と、連鎖するリスク

少し高台から町全体を見渡すと、落ちた屋根瓦の応急処置として、
ブルーシートがかけられた屋根がどこまでも続いていました。

現地で住民の方々のお話を伺うと、今後の生活への不安から、
本当に悲観的な言葉がたくさんこぼれていました。
その切実な声に、胸が締め付けられる思いでした。

全体を通して言えるのは、
現行の最新の建築基準に達していない建物がまだまだ多数残っているということです。

10年前のあの熊本地震の記憶が脳裏をよぎります。
あの時と同じように、もし今後、本震クラスの大きな揺れが立て続けに来た場合、
今は「傾き」や「ひび割れ」で何とか持ちこたえている建物が、
次々に倒壊してしまう可能性が極めて高い状態です。
これが今、現地が抱えている最大の時限爆弾です。

絶望の中に見えた希望と、素晴らしい対応力

しかし、現場にあったのは絶望ばかりではありません。
発災からわずか2週間という短い期間にもかかわらず、
ボランティアの方々や行政の皆様の迅速な対応には本当に目を見張るものがありました。

断水しているエリアへの給水などライフラインへの素早い対応。
そして、激しく亀裂が入り、隆起や陥没を起こしていた道路も、
まだ手付かずの場所はあるものの、この2週間ですでに修理が完了している箇所が多数ありました。
この連携とスピード感のある対応は本当に素晴らしく、被災地の大きな希望となっています。

専門家としての決意

今回、現場を自分の足で歩き、私自身も建物の専門家として
「もっと皆様の役に立てるよう働きかけていかなければならない」と強く決意しました。

地震は熊本だけの問題ではありません。
私の住む福岡をはじめ、九州北部でもいつ何時、巨大な地震が起きるか分かりません。

今回の震災の教訓を必ず生かし、一人でも多くの命と財産を守るための
事前対策(耐震診断と補強)の重要性を、これからも発信し続けていきます。

最後になりますが、今回の地震で被災された皆様の安全と、
一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

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