【相続4】読まずにいられない!冷汗まじりの相続不動産の話
2025/07/19
こんにちは!あなたの暮らしに幸せをプラス!
久留米で無垢材をふんだんに使って新築からリノベーションまで
手がけていますhouse plus+ 代表の田中崇浩です。
今日は、これ!
🏯「Airbnbで月50万!…と思ったら消防署NG」
――築80年町家の“民泊大作戦”が採算割れで半年撤退した理由と、失敗しない準備法
Airbnb(エアビーアンドビー)は、個人が所有する物件を旅行者に貸し出すことができる民泊サービスです。
✅ この記事で得られること
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民泊(住宅宿泊事業/簡易宿所)を始める前に必ずやるべき 許認可・用途・消防チェック の全体像。
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「家主居住型・50㎡以下なら比較的ラク」「家主不在型・50㎡超は一気に要求が厳しくなる」など 面積&運営形態で変わる消防装備レベル の目安。
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建築基準法上の用途変更(~200㎡)と“確認申請不要でも改修要ることがある”落とし穴。
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古民家改修に使える 自治体・国の補助金ジャンル早見(町家再生、空き家活用 等)。
(地域で追加規制があるので必ず所轄行政に確認してください。)
1. 物語:月50万の夢が…消防設備200万円で赤字転落
登場人物:川村さん(54歳)兄妹で相続した築80年の町家/京都風の路地奥
旅行客増で「月50万円はいける!」と試算し、Airbnb掲載を目指してセルフ改修開始。
畳をきれいに、シャワールームをDIY、英語案内も準備万端。
ところが 所轄消防署に相談したら“ここを宿泊で使うなら消防設備が必要” と言われ愕然…。
家主不在型で貸し切り運営/延べ床は小さいが宿泊部分が50㎡を超える区画扱い→
自動火災報知設備・消火器・非常照明・避難誘導表示など追加工事見積 約200万円。
資金繰りが崩れ、6か月運営で撤退。
「最初に消防署へ行っていれば…」と川村さんは嘆きました。
このストーリー、笑い話で済めばいいのですが実務では珍しくありません。
消防・建築・旅館/住宅宿泊事業の線引きがわかりにくいため、
“始めてから”整備=高額逆算コースになりがちです。
2. 民泊の制度ざっくりマップ(まずココを押さえる)
民泊系は大きく3ルート:
区分 | 根拠法 | 典型 | 宿泊日数制限 | 行政手続き | 消防等 |
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住宅宿泊事業(いわゆる民泊新法) | 住宅宿泊事業法 | 自宅一部貸し/Airbnb多い | 年180日上限 | 都道府県知事等に「届出」 | 消防法適合通知要。各消防へ事前相談。 |
旅館業(簡易宿所等) | 旅館業法 | ゲストハウス型/常時営業 | 上限なし | 許可 | 規模や構造で設備要求。用途変更の検討必須。 |
自治体独自の特区民泊 等 | 特区法+条例 | 地域限定 | 条例依存 | 認定 | 条例別途。ここでも消防確認必須。 |
3. 面積&運営形態で変わる消防ライン:どこから厳しくなる?
消防基準は「家主が同居か不在か」「宿泊室合計面積」「建物規模」で変わります。ざっくりの感覚を知っておくだけで資金計画が大違い。
3-1 家主居住型 × 宿泊室50㎡以下
多くの場合、消防法上は一般住宅扱い。
住宅用火災警報器(住警器)を適正場所に設置で足りるケースが多い(寝室・階段など)。
自治体条例で差があるので図面を持って必ず相談。
3-2 宿泊室が50㎡超 or 家主不在型で貸切
旅館・ホテル等に準じる「5項イ」扱いになることが多く、
自動火災報知設備、消火器、避難誘導、非常照明等が必要。工事費が一気に跳ね上がるゾーン。
3-3 小規模施設向け緩和(2025年1月ガイドライン改正)
延べ面積200㎡以下の小規模民泊で、一定条件下の消防設備要件が一部緩和。
とはいえ 避難経路表示や緊急連絡掲示は必須、自治体追加もあり。必ず所轄消防署で確認。
4. 「用途変更いらないでしょ?」が招く追加工事沼
「うちは 100㎡未満だから建築確認いらないよね?」と決め打ちすると危険。
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住宅から簡易宿所(旅館業)等に用途を変える場合、原則建築基準法の用途変更確認申請が必要(面積等で例外あり)。
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多くの自治体ガイドでも「200㎡以下は確認申請不要のケースがあるが、不要でも建築基準法に適合する改修が必要になる場合あり」と注意喚起。
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既存不適格(古い階段幅、排煙、耐火区画など)は後から指摘され補強費が膨らむ典型パターン。
5. ざっくり採算モデル:改修前に“消防シミュレーション”を数字化
以下は川村さんケースを元にした参考モデル(概算)。
項目 | 想定前 | 実際後 | メモ |
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改修(内装・設備) | 150万円 | 150万円 | DIY+水回り最低限 |
消防・避難設備 | 20万円仮置き | 200万円 | 自火報・非常照明・誘導標識配線等。 |
用途&申請関連 | 10万円 | 35万円 | 図面補正・行政手数料等。 |
合計投資 | 180万円 | 385万円 | 追加で資金ショート |
稼働率(年) | 60%(民泊新法上限180日) | 42% | オープン遅延・シーズン外 |
月粗収入(平均) | 50万円 | 23万円 | OTA手数料控除後想定 |
→ 投資回収年数が一気に逆転し、半年で撤退判断に。
6. 古民家×民泊:補助金を“先に”調べれば助かったかも?
全国には古民家・空き家活用を支援する補助金が多く、宿泊施設化(民泊含む)の改修費を補填できる自治体が増えています(例:金沢市宿泊施設改修、赤穂市古民家再生、京都市町家再生、高山市古民家宿泊整備、熊本市歴史的建造物活用など)。改修前に該当制度を確認すれば、工事費の一部が補助される可能性大。
7. “やる前”3点セット:図面を持って行政はしご
民泊成功組は例外なく、着工前に最低3か所を回っています。
行き先 | 持参するもの | 聞くべきこと | なぜ重要? |
---|---|---|---|
所轄消防署 | 平面図・面積・宿泊人数 | 必要な消防設備/工事範囲/費用目安 | 後から工事だと数十~数百万円差。 |
建築指導課(市役所) | 建築確認図書・築年 | 用途変更要否/既存不適格の可能性 | 階段幅・排煙等の改修要。 |
観光・まちづくり/商工課 | 写真・改修概算 | 古民家・空き家活用補助金の有無 | 補助で初期費圧縮。 |
8. 5分でできる「民泊GO/STOP」セルフ判定
以下に YES / NO で答えてみてください。
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建物の宿泊に使う部分の床面積は 50㎡以下?(YESなら消防軽め…かも)
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自分も居住(家主居住型)で運営する?(YESでさらに軽め傾向)
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階段幅・非常照明など古くない?(NOなら改修費要)
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宿泊日数は年180日以内でよい?(YES→住宅宿泊事業で届出ルート)
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改修前に消防・建築・補助金窓口へ相談済み?(NOは即アポ!)
3つ以上 NO → 初期投資シミュレーションを専門家と。
(消防・用途・届出手続フローは国交省民泊制度ポータルを参照。
9. よくある勘違いベスト5
勘違い | 実際は… |
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「ウチ、小さいから消防いらないでしょ」 | 面積&運営形態で要求変わる。50㎡超や家主不在は厳格。 |
「200㎡未満だから用途変更不要」 | 確認申請不要でも改修要件アリ。自治体で判断。 |
「届出だけで営業開始OK」 | 消防適合通知を添えるのが前提。 |
「古民家は味が大事、設備は後で」 | 補助金で整備費を抑えられる可能性。先に窓口相談。 |
「英語表記はいらない」 | 安全掲示や緊急連絡表示が求められる地域あり。 |
10. まとめ:夢と数字と安全のバランスを
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消防・用途・法令を“最初に”チェックするだけで、投資額が激変。
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小規模/家主居住型なら比較的ハードル低めだが、条件を外れると設備投資が跳ね上がる。
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200㎡以下で確認申請不要でも、改修工事が必要になることを忘れずに。自治体差に注意。
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届出前チェックで消防適合通知を取得し、補助金で費用圧縮を狙う。
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